サマープログラム!!

上海で建築を学ぶ。その約一ヶ月間の記録です。

第十四回 M50と上海1993

続いてはM50についてです

 

 

まずはM50の入り口付近ですこのあたりはモダンな感じのボリュームがくっついています。

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上海大学の敷地内にあるため、車で進入するときにはゲートを通過しないといけないようです。

広めの路地に入るような感覚で中にはいっていきます。

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少し入っていくと広場が現れます。右側の道はエントランスまで続いています。真ん中の建物は煉瓦造りの建物にガラスのボリュームが合体した形になっています。一つの建物でも面によってファサードが変わってくる。路地や広場などの空間が主役として作られているためこうなっているのでしょうか?ガラスと煉瓦のコントラストが面白いです。

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空間ごとにファサードが整備されています。

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1Fの廊下部分。もともと工場だったため、天井高は高くなっています。また内部は暗くなっています。

各部屋はギャラリーになっています。

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2F部分もほぼ1Fと変わらず。ただ二階は採光があるため明るくなっています。

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路地には日陰はほとんど入らないです。工場は人が住む空間ではないため日照などはあまり考えられていないようです。

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とりあえずM50はここまで。そういえばKMSのオフィスも天井が高いです。壁がなく、天井も高いので結構気持ちい空間だと思います。大学の研究室や製図室よりはるかに作業に集中しやすいです。

 

 

 

続いて1933についてです。

ここはもとは牛の屠殺場でした。そのような用途の場所を商業施設にコンバージョンしているため独特な雰囲気があります。今日回った中では一番好きな場所です。

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エントランス。ここは天井高はそんなに高いとは感じられませんでした。柱の形状が独特です。鉄の門がありますがここは牛を内部に入れるための門なのではないかと思います。あと暗いです。

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少し行くと吹き向けがあります。ここは明るく、開放的な空間になっていました。

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内部空間。暗いです。渡り廊下の下端までは4m位でしょうか。

 

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スロープと階段に囲まれたスペースです。右側に抜けることができます。ちょっとしたたまり場として使えそうです。

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牛を上の階まで誘導するためのスロープです。

 

 

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二階から吹き抜けを見る。2F~は天井高がさらに低くなっています。このあたりの空間は気持ちよい風が通ります。

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腰壁は上の階に行くほど高くなっていました。浦山さんも写真を撮るのに一苦労

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動線が複雑で面白い形になっています。

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中心部には新しいコアが通っています。古くて少し汚れたコンクリートとガラスのコントラストが印象的です。

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最上階にはブライダル系のテナントが入っていました。こんな場所にあるとは少し意外でした。調査した写真撮影をしている一行がいました。テナントはほかに雑貨屋、高級そうな飲食店などが入っていました。

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上海1933は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

第十三回 初日は遠くから

 

ということで二日目のフィールドワークです。

 

この日は「宝山ワンダ(中国語が打てず…)」、「M50」、「1933」の順番でめぐってきました。

 

調査は、なるべく移動のロスをなるべく最小限に抑えて効率良くまわるようにしています。今回は一番遠い場所から攻めていきました!やはり移動時間が長いので多くは回れなかったです…

 

さて、まずは「宝山ワンダ」です。ここに来る前にちょっとしたハプニングがありました。渡された調査リストの中に宝山ワンダが乗っていなかったのです!

共康路駅に来た時に気づきました。でも穴井さんに連絡を取ってちゃんと調査の対象ということを確認しました。2時間ロスしなくてよかった…

 

さて、通り側の外観はツインタワーになっています。

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中に入るとまずオープンスペースと外部空間のモールが現れます。

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割と一般的なモールだと思います。

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このモールは入口付近には人は多いのですが、奥に行くにつれて空きテナントの数が増えていき、客も少なくなっていきました。ちなみに入っているテナントは服屋、雑貨屋、カフェなどが主でした。

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特に二階のテナントはガラガラです。入口は左側の方なのですが、右の方に行くにつれて灰色の部分が増えています。

こんな空間だと歩いていてもあまり楽しくないですね。

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つづいて宝山ワンダ内のワンダプラザというボリュームの中身を見ていきます。

ちなみに外部の空間はほとんどプレーンな広場になっています。無駄に広い、暑い。建ぺい率50%のつまらなさってこういうことなのでしょうか?

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フロアの構成はこのようになっています。

主な商業施設は1~4Fまでです。

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1Fはファッション重視でシューズ&バッグ、アクセサリー、飲食店が少し入っています。

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2Fもファッション重視、3Fは雑貨などが加わりバリエーション豊かです。4Fは完全に飲食店のフロアです。

最上階に飲食店を設けていることでなるべく上の階まで客を誘導しようという、商業施設のセオリー通りの配置だと思います。

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次に内部空間についてです。この商業施設には吹きぬけが3か所あり、それぞれイベントスペースなどに活用されます。

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円形の吹き抜けををつなぐように、モールがあります。

アーケードっぽくなっています。

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 昼食は4Fのレストランで取りました!

ダックと小龍包(写ってない)とサラダです。小龍包は、うまかった。

肉汁たっぷりでした。ダックは骨が多くて食べづらいのが欠点でしたが、タレが甘くてがおいしかったです。

サラダはふつう。

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 宝山ワンダについては以上です。わりと普通のショッピングモールだったかなぁと思っています。

 

 次の記事はM50、1933についてです!創意園初体験です!

 

 

 

 

第十二回目 レクチャーその1 創意園について

今回は二日目の万谷さんのレクチャーについての記事です。

 

ざっくりいうと創意園とは何ぞや?っていう内容です。

以下ぶつ切りの文章ですが自分なりの解釈とまとめです。

創意園とはクリエイティブオフィスのことなのですが、主に工場からクリエイティブオフィスへコンバージョンしたものを指すようです。単にオフィスを建てるよりも創意園は特徴的な空間になりやすいらしいです。

時代とともに都市の産業構造が変化していったとき、工場などは使われなくなります。そういったものをコンバージョンという形で整備しなおすことで、町が生まれ変わったということが非常にわかりやすく伝わります。アイコンになるわけですね。

また高付加価値産業を呼びやすいため、上海の特色になります。ちなみに上海市に認定されないと創意園ではないらしいです。認定されると政府からの援助が受けやすいそうです。デベロッパー的には新しく建物を建てるよりも投資が少なくて済むという利点もあります。

創意園の源流はNYのSohoやチェルシー地区の工場のクリエイターのためのアトリエスペースへのコンバージョンです。これらは今では有名な場所になっています。

上海では新しく建物を建てる時、建ぺい率は50%が基本です。しかし工場は建ぺい率70~80パーセントで建てられています。コンバージョンでは建ぺい率50%の制限に縛られません。建物が敷地にどーんと建って、路地があるほうが楽しい空間になるのです。

また、もともと工場なので天井が高く気持ちの良い空間になります。高く売れるらしいです。

古いものは古く作る、新しいものは新しく作るという言葉は印象的でした。わざわざリサイクル煉瓦をもってきて、素材で古い雰囲気を出しているそうです。でも煉瓦の配置などは割とモダンな感じになっているといいます。

もともと古いものに価値がなかったため、それを残すのはどうなんだ?という言葉に少し共感を覚えました。でも住んでいる人にとってはその場所のなんて事のないものでもやっぱり愛着とかあるのでしょうね。


ちなみに日本では工場を人が生活する空間にコンバージョンすることは法規的に難しいそうなのでこういった建物はあまりないそうです。

 

レクチャーの内容に関しては以上です。

 

今回のレクチャーで創意園を調査するときの視点が少しわかったと思いました!

 

 

 

第十一回 フィールドワーク 環貿商城iapm

 

 

やっと画像がアップロードできました!

ということで調査の報告です。

上海上陸の日にさっそく商業施設を一つ、見てきました。

 

最近オープンしたばかりという「環貿商城iapm」です!

 

 

駅の南口を出るとこんな感じで古めの建物が見えます。

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その左を見るといきなりタワーマンションがあります

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そして振り返るとiapmのビルが見えます。

頂上付近の入込の入ったようなファサードがちょっと特徴的なビルです。

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商業施設の入り口は写真の奥の方なのですが、わざわざおしゃれなショップを通って中に入りました。場違い感が半端じゃなかったです。

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 地下鉄から歩いて1分程度の場所に位置しているため、アクセス性は良いです。

 

 

 

つづいて1Fのフロアマップです

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1Fの大吹き抜け空間です。各階のスラブ横についているライン照明が非常にかっこいいです。

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別の場所の吹き抜け部分です。壁面がLEDの電飾になっていました。

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地下一階部分はまだ工事中のようです。中国は建物がすべて完成しなくてもオープンするんですね。といってもiapmもプレオープンらしいです。

完成は年末になるみたいですね。

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6Fと5Fの間にはスキップフロアみたいなステージのような空間があります。小規模なイベントはここでできそうです。

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6Fの天井です。ルーバーが半円状に下方にせり出してきて、その部分が照らされています。ちなみに奥に映画館が見えます。それ以外のテナントはまだほとんどオープンしていません。

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 3Fまではわりと店舗も入っていて、けっこう客がいました。

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 3F以下は生活雑貨洋服などの店舗が多かったです。

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この建物はまだプレオープンなので、4~6階はほとんどテナントは入っていませんでした。そのため客も多くはなく、にぎわっているとは言い難い状況でした。

 

 

 

最後に、日本語をみるとやっぱり安心しますね

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第十回 フィールドワークその1 iapm

第十回からいよいよサマプロの内容でブログを書いていきます!

 

更新が滞っていたのでとりあえず上海についてから現在までの流れを書いておきます。

 

まずは12日は豊橋から電車でセントレアまで行き、そこから飛行機に乗ること約2時間半、ようやく上海に到着しました。

 

そういえば飛行機で旅行するのは二回目なのですが、あの離陸する瞬間はたまりませんね。空からの眺めもやっぱりすごくきれいです。ただ中国の川は茶色いなーと思いました。

 

そして浦東で林さんと合流してタクシーに乗りKMSのオフィスへ。

一旦ホテルの案内をしていただいた後にフィールドワークに行ってきました!

 

最初は「iapm]という商業施設を見てきました。

 

調査が終わったあとは浦山さんと合流して、KMSの先輩方と夕飯を食べに行きました。一日目は大体こんな感じです。

 

二日目の13日は万谷さんのレクチャーのあと、フィールドワークに出かけました。

 

KMSのオフィスから一番遠い共康路付近の「宝山~~」(中国語がまだわかりません…)という商業施設に行き、M50、1933という順番で見てきました。

ちなみに調査は2班に分かれていて、趙さん、浦山さん、自分のチームと、林さん、山田さんのチームになっています。

 

私たちのチームは18:00までにオフィスに戻れず…自己紹介プレゼンは3日目になりました。

ラッシュアワーはすごいですね。タクシーは捕まらない、地下鉄も満員で電車を一つ見送りました。

 

とりあえずオフィスに戻るときは時間帯に注意ですね。

 

14日になったら画像もアップロードできるようになったので、これから調査した建物について書いていこうと思います。

 

とりあえず近況でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

第八回 コンバージョン建築調査その3

コンバージョン建築調査の最後はサーラプラザ浜松についての空間体験について書きます!

 

 まずは外観。

まるで蛇にまかれたような特徴的なファサードが目を引きます。

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                  南東面

 

改修前は現行の耐震規定を満たしていなかったため、東海地震などに備えて耐震補強の必要性が指摘されていました。

耐震改修にあわせて外観の整備と、施設も老朽化していたので内部の設備を一新しています。

また耐震工法は「スパイラルブレースドベルト工法」という工法を青木茂建築工房と、構造計算を手掛ける金箱構造設計事務所が開発しました。

耐震補強部材の鉄骨ブレースを建物の壁面全体を包むようにスパイラル状に設置しています。

鉄骨ブレースを壁面の一部に縦に並べて設置する通常の工法は、狭い範囲に地震力が集中しますが、この工法では地震力を広範囲に分散して受け止められます。

 

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                   北面

 

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鉄骨トラスフレームが外付されているのがわかります。これをガラスカーテンウォールで覆っています。緑色と黄緑色のグラデーションが綺麗です。   

 

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 エントラス部分。オフィスタワー調査のCOCOLA FRONTと少しディテールが似ているような気がします。

 

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エントランスの内観です。ちなみに入り口は北面と南面にあり、それらは通路でつながっています。南面の方は2階まで円形の吹き抜けがあります。

 

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南北方向に通っている通路から南面のエントランスを見たところです。天井高がだいたい2.5m前後くらいで、天井には木製のルーバーが貼ってあります。

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これは1Fの雑貨屋さんです。通路側には壁がなく、通路に陳列棚が出てきています。通路を通るとついつい商品が気になってしまいます。

 

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 1Fの西側の階段前ホールです。西面がガラスのファザードで陽の光が入るからなのかこのスペースは周囲より空気の温度が高かったです。

 

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続いて二階です。ここはインテリアなどのショールームがメインになっています。

1,2Fは木質の材料を使用しているため、住宅のような感じがしました。また結構天井の設備が見えるような内観になっています。

 

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3Fは雰囲気が変わって床は大理石(?)のタイル仕上げで天井もキチンと仕上げられています。ここはスタディスペースやスタジオがあるフロアです。通路に休憩用のテーブルやイスが設置されていました。

 

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4Fは主にホールがあるフロアです。パーティーや宴会、セミナーなどで使用されます。一度に人が多く集まるような用途で使用されるためか、エレベータ前の空間などは広くとられていました。

 

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5~7Fはオフィスとなっています。この辺りもCOCOLA FRONTとあまり大差ないように感じました。同じグループ内の建物だからでしょうか?ただサーラプラザ浜松のほうが廊下はの面積が広かったです。

 

 以上空間体験でした。

 

最後に私がこの建築について良いと思うのは、他の建築にはない特殊なデザインのファサードです。美しいベルトに抱かれるようなデザイン性がありながらも、きちんと耐震規定を満たす構造的な合理性がある。デザインと構造がリンクしている建物は個人的にとても好きです。

建物も地域の公民館というコンセプトの通り、住民が親しみやすく利用しやすい空間になっている点も良いと思いました。

 

なかな面白い建物だと思うので、機会があれば実際にみてみるのも面白いですよ。

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以上で宿題終わりです!

 

さーて旅行の最終準備しよっ!