第八回 コンバージョン建築調査その3
コンバージョン建築調査の最後はサーラプラザ浜松についての空間体験について書きます!
まずは外観。
まるで蛇にまかれたような特徴的なファサードが目を引きます。
南東面
改修前は現行の耐震規定を満たしていなかったため、東海地震などに備えて耐震補強の必要性が指摘されていました。
耐震改修にあわせて外観の整備と、施設も老朽化していたので内部の設備を一新しています。
また耐震工法は「スパイラルブレースドベルト工法」という工法を青木茂建築工房と、構造計算を手掛ける金箱構造設計事務所が開発しました。
耐震補強部材の鉄骨ブレースを建物の壁面全体を包むようにスパイラル状に設置しています。
鉄骨ブレースを壁面の一部に縦に並べて設置する通常の工法は、狭い範囲に地震力が集中しますが、この工法では地震力を広範囲に分散して受け止められます。
北面
鉄骨トラスフレームが外付されているのがわかります。これをガラスカーテンウォールで覆っています。緑色と黄緑色のグラデーションが綺麗です。
エントラス部分。オフィスタワー調査のCOCOLA FRONTと少しディテールが似ているような気がします。
エントランスの内観です。ちなみに入り口は北面と南面にあり、それらは通路でつながっています。南面の方は2階まで円形の吹き抜けがあります。
南北方向に通っている通路から南面のエントランスを見たところです。天井高がだいたい2.5m前後くらいで、天井には木製のルーバーが貼ってあります。
これは1Fの雑貨屋さんです。通路側には壁がなく、通路に陳列棚が出てきています。通路を通るとついつい商品が気になってしまいます。
1Fの西側の階段前ホールです。西面がガラスのファザードで陽の光が入るからなのかこのスペースは周囲より空気の温度が高かったです。
続いて二階です。ここはインテリアなどのショールームがメインになっています。
1,2Fは木質の材料を使用しているため、住宅のような感じがしました。また結構天井の設備が見えるような内観になっています。
3Fは雰囲気が変わって床は大理石(?)のタイル仕上げで天井もキチンと仕上げられています。ここはスタディスペースやスタジオがあるフロアです。通路に休憩用のテーブルやイスが設置されていました。
4Fは主にホールがあるフロアです。パーティーや宴会、セミナーなどで使用されます。一度に人が多く集まるような用途で使用されるためか、エレベータ前の空間などは広くとられていました。
5~7Fはオフィスとなっています。この辺りもCOCOLA FRONTとあまり大差ないように感じました。同じグループ内の建物だからでしょうか?ただサーラプラザ浜松のほうが廊下はの面積が広かったです。
以上空間体験でした。
最後に私がこの建築について良いと思うのは、他の建築にはない特殊なデザインのファサードです。美しいベルトに抱かれるようなデザイン性がありながらも、きちんと耐震規定を満たす構造的な合理性がある。デザインと構造がリンクしている建物は個人的にとても好きです。
建物も地域の公民館というコンセプトの通り、住民が親しみやすく利用しやすい空間になっている点も良いと思いました。
なかな面白い建物だと思うので、機会があれば実際にみてみるのも面白いですよ。
以上で宿題終わりです!
さーて旅行の最終準備しよっ!